♪♪♪〜コギツネ コン コン〜〜♪♪♪

島村楽器のお題「楽器に関する思い出」
♪〜ヤマ ノ ナカ〜〜ヤマ ノ ナカ〜〜♪

終戦直後の東京の空は 広々としていて抜けるように何処までも碧く 高かった。  その澄みきった空へ元気な歌声は響く。

小学校四年生になった新学期に 担任の保坂千代子先生は大太鼓ひとり 小太鼓ふたり シロフォン(木琴)十人 タンバリン カスタネット シンバル そして合唱という総勢での60人クラス全員で楽団を編成しました。
音楽の授業 放課後 昼休みまで 個別の練習 全体練習に私たちは励みました。

一学期の終業式 校庭で全校集会で 校長先生がご挨拶のなかでこのことをお話してくださいました。私たちの練習の音は全校に響いていましたから 生徒は全員既に知っていることでしたが。
校長先生のお話は続きました「・・・で 今日皆さんの前で演奏していただきます。」と。
保坂先生も私達も慌てました。そんなことは聞いておりません。校長先生の勝手な話なんです。でもなんか嬉しさもあって 急いで準備して演奏いたしました。まだまだ人前で演奏するようなレベルではなかったけれど みんなは一生懸命に演奏しました。
その曲が「コギツネ コンコン」だったのです。

その後は何かというと私たちは引っ張り出される羽目になりました。

私達も卒業の日を迎えました。
五年生全員の編成でこの「コギツネ コン コン」に送られることになりました。

60年を経た今でも ひょっとするとシロフォンで 目をつむっていても弾けるかもしれません・・・


♪♪♪〜コギツネ コン コン〜〜ヤマ ノ ナカ 〜〜 ヤマ ノ ナカ 〜〜♪♪♪