2011夏計画ー1

今週のお題「2011年、夏の予定」

「列島の考古学 旧石器時代」が河出書房新社から この5月末に発行されました。著者は堤 隆(つつみ たかし)博士。16年の歳月が流れての発行である。その間 発行を目論んで実に6校目となる。なぜこんなことになったか?それは河出書房新社や著者のせいでは全く無い。2000年に事件が起こった。或る男が「前・中期旧石器遺跡捏造事件」を起こした。記憶しておられる方も多いと思います。これで全てがすっとびました。
「やみくもな『最古さがし』の思考を改め、科学的批判精神を身にまとうことを、捏造事件が大きな教訓として残したのではないか」と自戒の念を含めいいきる。考古学の門外漢でもこの本を読むと「石器」を理解できる いや必ず「石器」が好きでたまらなくなるだろう。

私は以前にも記したが美術史が専門だ。しかし多くの切り口で博士の考古学と接点を持つ。現在「飛鳥・天平白鳳時代」にいる私は 天武朝を裏側から検証するべく日高市高麗郡にいる。ここは「遺跡」の上に市がある。主に縄文中期だが 中には旧石器時代の遺跡も存在する。博士との接点は先ず「黒曜石」であった。ご専門の「細石刃(黒曜石製)」も2点採取した。多忙の中 お逢いしていただける栄誉を頂戴しながら果たしていない。


この夏の計画の「1」に実行したい。


博士は「浅間縄文ミュージアム」に居られる。

参考までに
*6月9日号「週刊文春」 立花隆さんが「私の読書日記」で絶賛。
*6月19日 毎日新聞朝刊 池澤夏樹芥川賞選考委員)が「今週の本棚」で書評を掲載。