滝不動供養塔:銀市民昇格記念


滝不動明王は「密教」では大日如来がこの世の一切の悪魔を降伏させるため仮に現した姿です。西仏遺跡の中心地に位置する向郷神社境内にあるこの供養塔は 逆立てた太刀に龍が巻くように絡み刃先に龍が噛み付いている我が国唯一の石像です。

鋭い牙がリアルですね。
宝永七庚寅(1710)年正月二十八日 施主 向江(郷)村中 の造立です。丁度300年前 江戸中期です。
もともと向郷神社から北方250mに湧水の滝の「精進堂」があり そこに祀られていました。ここが跡地です。現在滝はありませんが湧水は年を通じて途絶えることが無く流域に軽井沢からのクレソンが移植されています。近郊から採取にお出でになっています。

「精進堂」が北東1.5kmの「霞野神社」に合祀され「滝不動供養塔」は南の寺院に運ばれることになりました。乗せた車が向郷神社に差し掛かった折 供養塔は「ここが良い」と言って転がり降りたそうです。

眼光鋭く 下部に至るまで丁寧な仕上げです。

拝殿の脇にひっそりと置かれていますが 石碑と言えど風雨に晒され痛みが激しいのでせめて祠に納めたいと地元の方々に願い出ていますがお許しは五年間出ていません。