蛇巻き弁天


弁天様が蛇にぐるぐる巻きにされています。その尾を弁天様が銜えていますから 負けていませんね きっと。
弁天様の右側の髪が下がっています。この位置に蛇の頭部があったのでしょうか。


高さは400mmです。文字は見当たりません。右下にあるのが弁天様です。

弁天様は水神・農業神・衣食住 財宝をもたらす幸福の神です。この弁天様は香花院常照山青蓮寺の境内にあります。高麗川が1.5kmから1.2km西側から北側へ迂回するように流れています。蛇は河川を現し特に暴れ川を意味することが多いのです。市内の古参神社である野々宮神社に伝わる獅子舞に最後に蛇が出まして主獅子がこれを呑み込んで終幕します。やはり蛇の尾の方から主獅子は呑み込み頭まで完全に飲み込むんです。この意味する所は ひとたび豪雨となると暴れ川になる高麗川を治めるということでしょう。弁天様も完全に頭まで呑み込むのでしょう。その途中の像なのだと思います。この流域は高麗川が暴れ川であるために被害が多く住民は相当手を焼いた話が伝わっています。高麗川流域の集落からこの青蓮寺に願いを籠めて納めたと理解します。

境内には大銀杏や柘植の銘樹があります。



また檀家の家紋を拝見すると「鷹の羽のぶっ違い(左前)」や「舌切り雀」「梅鉢」「下がり藤」「橘」などが多く武家の集団が住み着いたところかもしれません。