勝呂廃寺の金堂を飾った瓦

直径200mm素弁十四葉蓮華文軒丸瓦 中房蓮子(れんじ)1−6−11の正統派。でもなぜ十四弁?割付が難しいのに。私の家紋が「葉菊の紋」で花弁が十四枚なんです。役所に紋柄を提出する時に何時も苦労する
15mm幅の外縁からRの傾斜(波の十二交差文)で落ち込んだ所で1笵(型)。蓮華部の中央円形を別笵(型)で仕上げ挿入して仕上げている。手の込んだ技法で精度と優雅さを醸し出しているのだ。



しかも驚く啼かれ瓦当部は80mmの無垢で厚みを着けている。ズシリとくる重量である。軒先の木部仕上げは相当に気を遣ったに違いない。
デザインは九州王朝系で6世紀後半から7世紀前半が有力ではないか。
正式に創建時期を直す必要はあると担当者の弁だ。現在は680年ごろとなっている。天武天皇の末期に近い。確かに寺院建築が盛んな時期だが 「勝呂廃寺」は大和系の影はない。

収蔵庫にあった笵接ぎの証拠品。

しかも「十五葉」で蓮子が「1−9−9」と言うのもある。

余談ですが さる高名な陶芸研究家の言によると 人間が円を分割する順序があるそうです。先ず二分することから4分割でしょう。その次は6分割なんだそうです。4分割を更に分割すれば8分割はたやすいのかと思えば そうではないらしいのです。これは器などの製作に関わる話ですが興味深いことです。