「白幡遺跡」−4(黒曜石・チャート石器①)

今回採取した黒曜石は


この「2g」と「1g」の二つでした。位置は以前「掻器」を採取した所です。
二つとも剥片ではありませんし 押圧剥離した痕が確認できますのでナイフ形などの欠けた一部ではないかと思います。


このような透明度なのです。以前に採取した「黒曜石掻器」は「10g」の重量ですが


酷似した透過度をもっています。同じ原石から取られたかと見紛うほどです。
この「黒曜石掻器」は採取した黒曜石製石器では最大です。原石の産地 長野県八ヶ岳周辺や神津島からの距離を考える時 「男女倉効果(おめぐら・エフェクト)《註》」の顕著な地方に入ります。


《註》「男女倉効果」
原石の原産地と消費地の距離に比例して製品が小さくなる現象を言います。尖頭器など比較的大振りな黒曜石製石器に顕著に現れる現象です。原石の貴重性に因を持つと考えられます。長野県八ヶ岳の黒曜石原産地に近い「男女倉遺跡」を森嶋稔さんや堤隆博士などが発掘調査時にこの現象がわかりました。