「白幡遺跡」−3(石器)



今回採取した石器はこの「削器(さっき)」。安山岩製のポピュラーな石器ですが少し違っているのが“創りが上質”で製作者の人となりが偲ばれること。しかも使い勝手を良くする為に手や指の位置に当たりを付けており 削って磨いた形跡が認められます。しかも「左利き」用であるのが珍しいのです。この時代の「左利き」に関しては議論が定まっていないので論議に加わるアイテムになるでしょう。二枚目のPHOTOをご覧ください 上辺左から斜めに窪みを作っています処が親指の位置です。上部の嶺には人差し指の腹部の当たりがあり中指の位置にもあります。
PHOTOの下部の円弧部が【刃】で刃こぼれがあり長期にわたり使用された証拠です。堤博士に「使用痕分析」をお願いしたいと思います。主に何を削ったのかがたちどころに判明いたします。


この遺跡からの主な石器は


「ナイフ」


「分銅型石斧」(刃部欠損)

小型の「石皿」

「石皿」といってもドングリ ハシバミ 胡桃等を「敲き石」を用いて割った台石です。考古学は名称の整理が急がれると思います。

これは「石剣(せっけん)」の先端部です。「石棒」とも呼ばれます。武器ではなく首長の権威象徴 または祭祀に使用したと考えられています。全長は300mm〜500mmが一般的です。完全な形状での出土は少ない石器かもしれません。

3年間の表層採取で15アイテムを数えます。左上から「宿東遺跡」その下へ「明婦遺跡」3段目と4段目の一番左が「上ノ原遺跡」その右がこの「白幡遺跡」  右は上から三つは「若宮遺跡」一番下が「鹿台遺跡」です。
ご覧頂くとお解かりかと存じますが「白幡遺跡」の石剣だけが先端の鋭さがあります。何か意味があると思います。
最後にお眼にかけるのは


旧石器時代」のものと推察されている石器です。分析途上ではございますが。
明日は「黒曜石・チャート」の石器をUP致しましょう。