姥田窯遺跡


指定区域の200m北東地点から布目瓦は小片だが17個採取され 須恵器はダンボール1個分もある。幅100m〜150mで600mの帯状に広がった大掛かりな「窯」のようだ。400mは現在森林地帯なので苦戦は免れない。森林は地表が育つ 100年に100mmという。1300年前を訪ねているのだから。
遺物は耕作地から専ら採取されている。森林域はこれからになる。
9日に採取された主な遺物は 先ず「擂鉢」です。当時は寺院で使われる重要な器です。1.3km東の「女影廃寺」からも多数採取されています。


次は径50〜60mmの小型の杯(つき) その糸きり部(底)です。回転円のラインが残り 窯毎の特徴が顕著に現れます。重要な資料となります。


小型の甕の口縁(こうえん・最上部)です。表裏 初期の釉が残っています。分析すれば年代の特定が可能です。


100mほど西に移動して茶畑を調査しました。茶畑や桑畑は多く遺物が出ます。

小型の茶器だろうか 胴部から口縁にかけての部分です。

中型の甕でしょうか 3mmほどの円形小山連続のヘラで外部に模様を付ける多く見られるタイプです。

これも中型の甕でしょう。口縁部で刻みのあるヘラで サイクルの短い波形模様は当時としてはポピュラーな手法です。

なだらかな南向き斜面のエンド部に登り窯は設けられました。窯跡に残る異物は製品として不良品です。何らかの欠陥があって納められなかった須恵器や布目瓦達です。
奥に見えるのが西側の森林です。約400mに渡り今後調査に入ります。現状で言えることは須恵器が多い事 それも小型が非常に多い。しかも焼成は良好であることでしょう。瓦と須恵器は窯を別にしていたかも知れません。