武蔵国分寺跡

武蔵国分寺跡資料館は「おたかの道湧水園」の中にあり 入り口にある「史跡の駅(おたカフェ)」で入園チケットを購入する。


「・・・資料館」は既設の建物のを改造してしつらえた。市の教育委員会ふるさと文化財課の事務室もあり 市内遺跡内の土木工事の届出 相談 文化財についての問い合わせ窓口業務も行っている。優秀な学芸員さんが居られ非常に便利で しかも開かれた情報発信の拠点としてありがたい存在です。展示品は旧石器時代から主な遺物を克明な説明がなされていて好感が持てます。やはり中心は国分寺史料でしょう。

「古代のかわら」掲載の高岡窯製作の「鐙瓦」の現物に対面できました。国分寺市教育委員会も大川清教授と同じ見解で《高句麗系の瓦》です。私は仏教の故郷であるガンダーラ もしくはインド 更に西域のユダヤも含める見解です。「武蔵国分寺遺跡」が日本一の規模を誇り広大な域を有しており この館の土地もその一部です。フィールドに出てみましょうか。


発掘調査は現在も進行中で伽藍の中心である金堂や講堂の北側や東側が対象でした。普段電話でお話をしていただく方々にフィールドでお逢いでき 「武蔵国分寺」の瓦や須恵器を製作した日高市の「高岡窯」や「姥田窯」の史料もお眼にかけました。これらの史料は私の分析が終了次第 国分寺市教育委員会に収められます。

金堂跡の礎石(礎石)が現地保存されています。非常に大規模な建造物であったことが偲ばれます。
発掘調査も念入りで礎石は勿論下に敷かれるグリ石(根石)基壇築成 掘り込み地業の細部にわたり調査されました。
それらはケーキのミルフィーユのそれに似て幾層にも重ねて組成されていました。この調査が功を奏し金堂をはじめ建造物の桁行きなど主要な寸法が割り出され調査報告書に記載されたようです。このデータで武蔵国分寺の建築方式を推定するのは私の仕事になります。帰路に本多図書館によってデータをチェックすることにしましょう。

武蔵国分寺で最初に建造されたとみられる「七重塔」跡です。礎石の一部が保存されております。金堂など中門に続く築地塀で囲われた外部にあります。金堂からは東南東方向で少し離れた位地です。現存する礎石は「塔1」とされ 西隣に「塔2」が造られた形跡があります。礎石はありませんが地下は「塔1」と同様の処理がされておりました。

礎石脇にある布目瓦です。26mmの厚みを持つこの瓦は塔としては異常に厚いものです。「七重塔」は60mの高さがあり初重は大掛かりな建造物であったのかも知れません。法隆寺五重塔が34.1mですから その約2倍の高さです。もし「武蔵国分寺跡」をご覧になる場合にお願いがございます。遺跡内にはこのようにいたるところに布目瓦などが散在しております。これらは地表位置など計測の上 正式に記録を執り採取する遺物です。つまり未処理段階の重要な遺物なのです。少々触れる程度は大目に見るかもしれませんが けしてお持ち帰りにならない事。この事を厳重にお願い申し上げます。犯罪になります。以前よりも少なくなっているようにお見受けします。とても残念な事です。