廃寺跡からも

清泉寺廃寺跡が北竹ノ内にありまして そこに2210高の板碑があります。

キリーク阿弥陀一尊は確認できますがあとは無理です。この板碑は近くの小川の橋に二次使用されていたといういわくつきのものです。その横に石造りの小さな祠があり そこに無造作に捨てられた板碑の破片がありました。


このままでは可哀想ですので採取し洗浄して分析いたしました。

キリーク阿弥陀一尊 月輪(げちりん 円光ともいう)付き
「キリーク」の「カ」と「ラ」の一部 蓮華座の一部が残っています。

「カ」の書き出しに特徴があります。

「ラ」の書き出しも同じように一部太い書き出しです。

蓮華座の「蓮肉」の輪郭が二重です。「蓮子」の下部に括弧状のデザインを配しています。

全体に品格が高い板碑だと思います。

主尊の月輪と枠線との間隔が17mmなので三尊の可能性は無いと判断しました。
板碑厚が27mmですから1000mm高内外の立派な物でしょう。ほぼ長方形で裏面に採寸したような印があり二次使用したか あるいは途上で放棄したようです。表面の仕上げも上品で総合的に観て市内での類似は無く 隣接の地域からの搬入かと思われます。