宙を飛んだ 丘登さん


その日は夫婦ふたりで金子家の墓所を掃除してお参りをしました。終わると何時もの事で何時もの様にご主人が先に立ち掃除道具などを持って菜園に帰ってしまう。奥様は草花を眺めたり摘んだりしながら 少し遅れて後を追う。そしてこの階段の上に来た辺りからの記憶が薄らぐ。「身体がふわ〜〜っと浮いた様で 宙に浮き 誰かの両腕に支えられるように降りた。」そう言う奥様は遠くを見る視線をする。異常を感じたご主人が踵を返したがとても間に合わなかった。「5m以上もある上から落ちたんだ。慌てて戻ったが間に合わなかった。」 下はアスファルトの固い道路 すわっ 一大事!


ところが 擦り傷ひとつ負っていない。まして打撲障すら。「一応医者に見せたさ。しかし何でもなかった。不思議なこともあるものだ。」ご主人は 今でも不思議がる。
もう数年前のことになる。その後も異常は認められない。普通に畑仕事をこなしておられ 元気元気。
「確かに 誰かがす〜〜っと両手で受け止めてくれた。」昨日の事のように 奥様は振り返る。

                    
                      「お千代さん  かもね。」

ご夫婦揃って ニッコリ。



金子家の墓所です。昼尚暗く何時もブレブレ まともなPHOTOが撮れない。幅7m奥行き30m位はある。周囲は歴代の墓石が取り巻いている。宝篋印塔も数基あるから家柄が偲ばれる。現在は丘登本家と地元の日野家が守っておられます。
恐らく高岡窯に由来する系統と考えます。


私の任務は「お千代さんの児」を捜索するに留まらず 高岡・清流地区に戻し 祠を建て祀り住民の方々に戻すことです。聖天院に預けたままですと実物があったとしても「拝観料300円」を払わない限り観られませんし 聖天院も何処に置いたかさえもわからない状態では管理されているとはとても思えません。



*「施設情報」MAPは

       http://haruhiko5.blogspot.com/2011/08/blog-post_26.html

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