2001:a space odyssey

「五つ星ムービーを見直そう」Vol.3
2001年宇宙の旅(後編)
400万年まえ「ヒトザル」は「モノリス」により骨に象徴される道具(武器)を得る。太陽と地球 そして月が直線状に結ばれた時 「モノリス」は月に向かって異常な発信をする。その骨(道具・武器)は空高く投げられ 宇宙船(核ミサイル搭載)に変わり20世紀末の時代に象徴的に引き継がれる。月のクラビゥス基地で「モノリス」が発掘された。フロイド博士は極秘に調査に向かう。400万年前に何者かが埋めたものか?調査中突然「モノリス」はジュピター(木星)に向かい異常発信する。


18ヵ月後の2001年 デスカバリー号がジュピターに向けて発進する。

このデテールはどうだ!
言葉が無いですね。1968年の公開作品です。ざっくり43年以上前(製作期間を考慮すると)ですよ。多くの方々はお父さんの所にも存在していなかったでしょうね。そういえば

精子」のイメージだそうだ。

*目的地は当初サターン(土星)だったが あの美しい「リング」の表現に難があるため 急遽ジュピター(木星)に変更された。当時はCGも現在では考えられないレベルであったのです。
 
*「HAL9000]
準主役と言っていい。人工頭脳だ。現在のPCより トテモ素直だ。私なら一緒に生活してゆける自信がある。ところでネーミングだが一般には「IBM」のアルファベット上の一文字前で「HAL」なのだといわれている。つまり「IBM」の一足先を行くコンピューターと言う意味。小気味が良いではないか。だって「APPLE」はこの手は使えないよ。クラークは「Heuristically programmed ALgorithmic computer」からとったと言うが 下手な浮気の言い訳より へたな言い訳に過ぎない。(発見的なプログラムされたアルゴリズム的コンピューターと言う意味) 私の叔母に三人の「ハル はる 葉琉」がいた。二方は故人だが「はる」叔母さんは元気だ。三人とも揃っていた頃は これが自慢の一つだった。顔を合わせると「私達 キューブリックの映画に出たの」と言って周りを爆笑の渦を撒いていた。
9000番目に発見された小惑星に「HAL」と命名され この名は永遠に残ることになりました。(1981年)

宇宙食


これはNASAが開発した本物である。

小惑星群を突き抜ける。

ここはもう飽きるほど繰り返し見ている。
昔 この場面を越えようと何度トライしたか知れない。私的には次には越えるつもり・・・期待しなくて良いが。

*「モノリス

この物体を透明体で企画した。しかしクリアには出来なくて黒い石状の物体にした。しかしこのラストシーンでは やはり「クリア」の方が断然良かったと思う。撮影当時日本では製作可能であった。だから手塚治虫さんが美術担当のオファーを受諾していたらと 残念でならない。

*映像美とバックミュージック
オープニングはジェルジ・リゲティの「アトモスフェール」でスタート 人類の夜明け「ヒトザル」では「ツァラトゥストラはかく語りき」(リヒャルト・シュトラウス)で完璧に映像とマッチしている。宇宙ものの映像には電子音を使った音楽が主流だったが 見事に覆し定番となった。しかしなんといっても「美しき青きドナウ」(ヨハン・シュトラウス2世)が白眉だ。宇宙船の飛行シーンに使われた。映像は物理的には無視し音楽に合わせている場面がある。近い将来 宇宙に行けるなら是非行きたいし 飛行中はこの妙なるウィンナワルツに酔いしれるだろう。

またウィン・フィルのニューイヤー・コンサートでプログラムが終了し舞台からの新年の挨拶が終わるとアンコールだ。二曲目はこの珠玉のワルツ。ウィン楽友協会を飛行するのは私一人ではないだろう。


*(前編)クイズの答え

「ビビアン・キューブリック」です。問題の文中「娘」がヒントです。キューブリックの三女で映像作家として活躍中です。正解の方 おめでとうございます。あなたの人生はとても素晴らしいものになるでしょう。高度な楽しみ方の術を既に見につけておられます。