明日は「文化財防火ディー」です。


どなたもご存知「観音菩薩像図」です。一時期「切手」にもなりました。詳細に記しますと「法隆寺金堂 第六号壁阿弥陀浄土図脇侍観音菩薩像」となります。およそ1400年前後前に描かれた至宝と言えましょう。この慈悲深く美しい壁画は残念な事に現在は御座いません。第二次世界大戦後の昭和24年に焼失してしまいました。1月26日の事でした。それを機に「文化財保護法」が制定され この日が「文化財防火ディー」になりました。1400年と言う想像を絶するような年月 守り継いだ影にどれだけの人々の努力と想いがあったか。私の記憶に間違いが無ければ 当時一流の画家が選出され壁画の模写事業が行われており 寒さを凌ぐ電気ストーブから失火した筈です。不注意と言うば不注意ですが 声を失います。原発に繋がる悔しさにも似ていて非常にやるせない気分に落ち込みます。


収蔵庫に保管されている被災跡の写真です。とくとご覧ください。
第一号壁「釈迦浄土図」


第六号壁「阿弥陀浄土図」


このような結果となりました。


中国の史書 朝鮮半島史書などに記されている「倭」と言う国名をご存知ですね。その「倭の五王」の記事もご存知ですか?「倭の五王」讃(さん)珍(ちん)済(せい)興(こう)武(ぶ)です。その最後の王「武」ですが 普通 武倭(ぶい)と呼びます。武倭の后は神功王后(神功皇后)です。このふたりの子が「倭薈(いわい)」です。日本書紀には「磐井」と標記されています。「阿弥陀浄土図」の阿弥陀はこの「倭薈」でしょう。されば脇時の「観音菩薩」は「神功王后」の筈です。では「釈迦浄土図」の釈迦は?  国書を送った「多利思比孤(たりしひこ)」だろうか?


と かくゆうような分析研究に入っているのですが 現物が残っていない障害は測り知れないのです。
皆様 お願いですから文化財は大切に致しましょう。落書きなどはもってのほかですよ。観賞する場合は係員のご注意や注意書きを十二分にご理解頂いて行ってくださいませ。1月26日はこの想いを新たにする日としていただければ幸です。

阿彌他様の眼差しです。