今月の縄文土器

先般紹介した「縄文土器カレンダー」を観ると毎月珠玉のアイテムが掲載されているので毎月一枚づつご紹介する事に致しました。
1月(遅くなりましたが)深鉢形土器 岩手県繋Ⅴ遺跡 

大木8b式という型式に分類されています。東北地方の南に広がった大木式土器は 縄文前期から中期まで続いた息の長い土器様式です。そのなかで大木8b式は縄文中期中葉 約5000年前の型式です。3つの波頂をもつ口縁と太く力づよい隆起線が渦を巻いた文様が特徴的で 縄文土器を代表するひとつです。


2月 鳥さん土器 石川県真脇(まわき)遺跡

今からおよそ 5000年前の新保式土器の浅鉢です。ご飯茶碗ほどの大きさの土器に鳥の頭を付けています。目とくちばしの先が赤く彩色され顔を少し傾けて 何かを語りかけているように思えます。


何れも生活日用品です。現代であれば美術品としての価値さえ覗える内容を包含しており 旧代の人々の秀悦さを改めて示してくれます。縄文土器ジェンダーとして専ら女性の手になるとに見解が一般的です。この2点はそれを裏付けるようですね。