これが現実



ある遺跡内の畑を貫く農道に耕地から出た石に混じって土器片も捨てられた。四五日前だろうか 姥田窯遺跡に集中していた隙のことだ。

クルマ一台が通れるほどの細道で 大きなブロックで道路脇に敷かれたが 発見した時は既に遅し 粉々。
時刻も夕方で大まかに回収したが 再び今日も予定を変更して回収に向かう。

大きめのポリ袋に収まった土器片達 2kgは越えていよう。回収時に感じた事は同一個体のようだ。土器片は重いクルマに何度も踏まれぐずぐず状態です。洗浄も気をつけないと処理中にも崩れる可能性もある。その先はジグソウパズルですね。
ある程度の土器に蘇るか?


ここはK氏の畑で7人の方に貸している。何人かは親しくさせていただき 遺跡に纏わる話は折に触れお話させてもらっていました。しかし現実はこんな事です。分布調査でも三分の一は通路に敷かれた石に混じっています。石器や布目瓦 須恵器でさえ破損していることがあります。土器はもっと脆いですから おしてしるべしです。
「土器を捨てる」と言う行為なのではありません。「土器」と気付かない のです。
この畑は牛蒡が不向きです。場所によっては大根も先端が分かれます。400mm〜600mmで硬い地層になるからです。そうです そこが縄文時代のGLで 当時の人々が生活で踏みしめた地面です。この話もあの場所では何回もしております。しかし現実はこれです。最初からやり直さねばなりません。根気良く。捨てた事は責められません。知らない事の怖さを身に沁みて感じます。