「堀ノ内遺跡展」のご報告

高麗郷民族資料館(巾着田東隣)での遺物展が開催された。



先ず「掘ノ内遺跡」の位置関係を説明いたします。人類の水源となる小畔川の南岸域で広大な平地にあり 重要な古道「上の道(後の鎌倉街道)」の東500m そして「王神遺跡」「拾石遺跡」の500m南の位置にあります。
「王神・拾石遺跡」は旧石器・縄文の遺物や 何より716年の高麗建郡後は役人か貴族かが居住したか または郡衙(ぐんが・郡の役所)も否定できない遺跡で 文化の成熟した遺物が出土しております。高麗郡の寺「女影廃寺」や高麗王の宮の北500mの位置にあります。古道「上ノ道」は750年頃の武蔵国分寺創建に際し南比企丘陵窯郡(註)からの大量の瓦が運ばれた道であります。


「掘ノ内遺跡」の出土品は 旧石器時代の石器が少しありました。

「ナイフ形石器」黒曜石製でナイフの用途の他 槍先としても使用されたとする。科学的分析はされていないので 産地や年代同定はこれからの分析に譲るが 和田峠(長野県八ヶ岳)と見受けます。
「剥片」 石器を製作する際にでる。

「礫」 焼かれた形跡もある。

 
中世から近世の遺物

「天目茶碗」


「カワラケ」

「焙烙(ほうろく)」


「石臼」





主な遺物をピックアップしました。遺跡も旧石器時代が薄く・縄文時代が欠けると少し興味が遠のくのは 私だけかもしれません。
開催日程:6月17日(日)まで 3月は土・日 4月からは木〜日曜日 10:00〜15:00 祭日は休館(5月3 4 5日は休館 不思議なことですが)
特に学芸員などの説明員は居りません。お問い合わせは日高市役所教育委員会生涯教育課文化財室(042−985ー0290)私のスケジュールが合えばご説明には伺えます。コメント欄でお願いいたします。

(註)南比企丘陵窯郡
鳩山町を中心に広がる丘陵に窯が多く築かれ 瓦や須恵器などの生産がおこなわれた。
先頃 鳩山町泉井 新沼窯跡の発掘が実施され26基の窯跡が発掘された。3月17日に「現地説明会」が行われ 武蔵国分寺の布目瓦や須恵器なども含まれた出土品などの説明がなされた。